2007,01,18, Thursday
おもしろすぎる
いきなり引用である。
本当に、在日外国人の状態はひどいものである。この国にきている若い人たちは不行跡で、堕落していて、おとなしい日本人を何かにつけ侮辱しているのだ。既婚の商人たちは、この国の女の人たちを妾として家においている。水夫たちはもっとひどい。かわいそうに半分捨てられた小さな子供たちが、日本人には不潔とみなされ、父親にも構われず、ほったらかされてうろついているのを見ると、痛ましい限りである。そして、この国の人たちは、外国人というのは皆そんなものだと思っているのだ。宣教師たちは最良だが、それでも大部分はきれいな家に住み、使用人を多く使って、馬や馬車を持ち、本国の熱心な信者たちが描く宣教師の生活とはおよそかけ離れたぜいたくな暮らしをしている。ああ、この人たちには何かが必要なのだ。役に立つ物、効き目のあるものは精霊しかない。私の魂は嫌悪の念をもって、これらの堕落した外国人<私の祖国の人も幾人か含まれているのだが>に背を向け、日本人の中に見いだされる純粋なものにひかれている。<1875(明治8)9月24日>明治時代に日本にやってきた、14歳のアメリカ人少女の日記である。この少女、クララ・ホイットニーと言い、後に勝海舟の三男と結婚する。 クララ・ホイットニー(一又民子訳)『勝海舟の嫁・クララの明治日記−(上・下)』(中公文庫・1996年) 絶版になっているようで入手しにくいが、インターネットの古本屋で購入した(まだ、この手の本は古本が定価より安い)。あることを調べる(確認する)ために入手したのが、面白すぎてついつい読んでしまう。 明治の初期の日本を見たそのままに描いている。そして、誰かに見られることも予想していないから日本人に対してもかなり辛辣な表現がある。そこがまた面白い。またこの日記の登場人物がすごい。勝海舟はもちろんとして、福沢諭吉、森有礼、西郷従道....明治の大物がまるで当たり前のように登場する。もちろん、私たちの世界でおなじみの音楽家や音楽教育学関係者も登場する。それを確認するのがねらいだったのだが。 当時、松野クララという有名な音楽教師がいたが、この人はドイツから来て日本人と結婚したし、こちらのクララとも会ったことがあるのだが、別人である。クララ・シューマンとは何の関係もない。念のため(^。^) |