2007,02,10, Saturday
職業意識
東京都板橋区の東武東上線ときわ台駅で、自殺しようと線路内に立ち入った女性を救おうとして急行電車にひかれた警察官は、まだ意識不明の重体が続いていると言う。何とか回復してほしい。
自殺願望の女性を救うために、なんでこんな目に会わなければならないかと思わないでもない。しかし、それが警察官の職業意識なのだろう。このように精神と身体が動くようにできていたのだろう。私はこのような人を無条件に尊敬する。 この事件は、私たち教師にとっても無関係なことではない。教師にだって不測の事態は起こる。例えば、地震、火事などの災害である。大阪教育大学附属池田小学校のような事件が二度と起こらないとは限らない。こんな時に教師が為すべき最も重要なことは、児童、生徒、学生の生命を守ることである。そして、それは自分の命を守ることよりも重要である。教師とはそのような職業なのである。 大阪教育大学附属小学校の事件が起きた頃から、ずっと考えていた。あの時に現場に居あわせた先生を責めることはできない。そんなことが起こるとは誰も予測していなかったからだ。予想していないことが起これば、誰もが自分を守ると言う本能が働く。しかし、この事件によってこんな事件が起こりえないとは決して言えないことが明らかになった。言い訳はもう利かないのである。 不測の事態が起きたときにどうするか。頭ではわかっていても、自分が一番最初に逃亡することになるかも知れない。おそらく、私が私の防衛本能に従えば、そう言う結果になるだろう。そうならないためにはこの警察官のような心と体の構えが必要なのだ。武士はいつも死ぬ訓練をしていたという。切腹の作法を習うのもその一つだったのだろう。自分が一番に逃亡するような卑怯者にならないための精神と身体の訓練をしておこう。 ・・・と言いつつ、できることならば、こういう事態が巡って来ないことを祈りつつ(残りの人生はそんなに長くないのに)酒ばかり飲んでいる軟弱な私である。 |