この記譜法は、NiftyServeのパソコン通信、Nifty フォーラム(現在は閉鎖)
内の教育
実践フォーラム・専門館《音楽教育》会議室(での 通信のために、会
議室参加者合意
した記譜法である。原案を吉田が提案し、会 員の意見を参考に
最終的には北山敦康
氏に整理していただいた。北山氏の了解 を得て公開する。
テキストだけのメールで、旋律を伝える場合に利用していただきたい。
ただし、まだ改良の余地がある。例えば、3連符などは2段にしなければ
ならない。できるだけ1段で表示できるような方法を考えている。ご意見をい
ただきたい。

なお、このページは、固定ピッチフォント(等幅フォント)で表示されるよう
に設定しているが、機種によっては固定ピッチ表示されない場合がある。その
場合は、PDFファイルで閲覧していただきたい。また、メールで利用する場
合は、固定ピッチフォントを使っていただきたい。そのほうが見やすいからで
ある。
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          会議室における統一記譜法の手引き

           教育実践フォーラム・専門館
             《音楽教育》会議室

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【基本的な考え方】

 この記譜法は、基本的にトニックソルファ譜の書法に準じています。ま た、
コンピュータ通信のテキストで用いることを前提にしていますので、半角の 英
数字と一部の汎用記号のみを使用し、機種依存文字(記号も含む)と準機種 依
存文字である半角カタカナは使用しません。

【統一記譜法の原則】

 次の記譜例に基づいて統一記譜法の原則を説明します。ただし、これはあ く
までも原則であって、文章中にドレミファで書いて用が足りる程度のときに は
無理にこの記譜法を用いなくても結構です。また、どうしても実音表記の必 要
があるときなども、その都度、適宜工夫して表記してくださって結構です。

   例:赤とんぼ(山田耕筰 作曲)
   d:Eb (3/4)
   /S.d:d  :-.r/m.s:d'.l:s  /l.d:d  :r  /m  :-  :  /

(1)ド記号:「ド記号( d:X )」は調号の代用と考えてください。

 上の例のように、その旋律が始まる小節の上部に d:X と記してください。
  X には、旋法や調性にかかわらず、階名のドにあたる英語音名を書きます。
 短調の場合でもドの英語音名を書きます。いわゆる主音の概念とは異なり ま
 すので注意してください。

   注)英語音名 C D E F G A B (大文字を使用)
       嬰音は # をつける( # は「シフト+3」)
     変音は b をつける( B の小文字を使用!)
     ^^^^^^^^^^^^^^^^^
       (↑記号のフラットを使用しないこと)

 転調して調号が変わるような場合は、その箇所の上部にあらためて d:X と
 記してください。部分的な転調や平行調への転調の場合には、そのまま変 化
 音を使って書いて結構です。

 また、場合によっては、オクターブ表示を付ける必要もあるかと思いま す。
 その場合には、中央Cを C4 として d:Xn と書いてください。

   例:
   d:Eb4

(2)拍子記号:ド記号に続いて ( ) 内に拍子を記入します。

   例:
   d:X (3/4) → 四分の三拍子

(3)速度記号:必要な場合には、速度標語やM.M.を記入してくださ い。

   例:
   d:X (3/4) Moderato
   d:X (3/4) 4:72  → 四分音符=72

(4)階名:階名は次のように記します。

    通常使うオクターブ内にある音は半角小文字で表す
              ↓
          ____________________
     S L T d r m f s l t d' r' m' f' s'
     ~~~~~~~~            ~~~~~~~~~~~~~~
       ↑                ↑
    オクターブ低い音は半角大文字で表す  ↑
                       ↑
               オクターブ高い音には ' (dash) をつける

   また、変化音は次のように記します。

    半音高い音 de re fe se le (階名に e をつける)
    半音低い音 ra ma sa la ta (階名に a をつける)

(4)音価の示し方:音符や休符は次のように記します。

    /   小節線(スラッシュ)
    :   拍の区切り−記譜上の単位音符を1拍とする(コロン)
    .   拍の2分割(ピリオド)
    ,   拍の再2分割(コンマ)
    -    前の拍の引き延ばし(ハイフン)
   休符   / : . , の間に文字や - がないときは休符

   例:こいのぼり(文部省唱歌)
   d:F (4/4)
    /d .-,r:m .-,f:s     :-  .f /m .-,f:r .-,f:m     :-  /

   これより細かい音符、例えば4/4拍子で32分音符が出てくる場合 は、
   「8分音符を1拍として記述」と注釈をつけて、そのように記譜して
   ください。また、連符、装飾音などは適当に考えて記述し、注釈をつ
   けてください。
   
   例:三連符(旋律の上に3と書く)
     3     3
   /d.m.s:d.m.s/

(5)その他:

   楽譜を見やすくするために適当なスペースをとってください。

     例:春がきた(文部省唱歌)
   d:C (4/4)
     /s:m.f:s:l/s:m.f:s:d'/l:s:m:-.d/r:-:-:/
     (↓適当なスペースをとって見やすくしてください)
     d:C (4/4)
   /s  :m.f:s  :l  /s  :m.f:s  :d' /
     /l  :s  :m :-.d/r  :-  :-  :   /

   歌詞は、楽譜の下に書くと見やすいかと思いますが、準機種依存文字 で
   ある半角カタカナを用いないでください。また、歌詞の引用について は、
   正当な引用の範囲を逸脱しないようにご注意ください。